こんにちは!はっぴーはろうぃーん♪庄ちゃんです。
【#95 2015.8.19. ポーランド*ワルシャワ】
《レート*1ズオッティ≒約30円》
クラクフに着いた翌日、南西60㎞のところにあるオシフィエンチムへ向かいます。
オシフィエンチム、聞きなれない地名ですよね。
「アウシュビッツ」なら誰しもが知ってることでしょう。
第二次世界大戦中、ポーランドを侵略したナチスドイツ軍がここオシフィエンチム(ポーランド語名)にアウシュビッツと名付けました。
1940年、ポーランド人政治犯を収容するため建設されました。
それは次第にユダヤ人やソ連軍捕虜やジプシーをヨーロッパ全土から送り込むようになります。
現在は国立博物館として保存され、「負の世界遺産」として登録されています。
私は同じ宿の台湾人の女の子ユーチンと英語ツアーに参加。
この時期はガイドを付けないと見学は不可能です。
夏のヨーロッパはどこも観光客だらけ、ここアウシュビッツ博物館も多くの人が訪れていました。
10時に着いたけど、人が多すぎて12時15分からのガイドツアーに参加することになりました。
日本人であれば、日本語ガイドをされている中谷さんという方がいらっしゃるので事前に連絡を取ってガイドをお願いすることをオススメします。
アジア人唯一のアウシュビッツ博物館公認ガイドです。
日本語で書かれた簡単なガイドブックが売られてました。50PLN(約150円/ユーロでも購入可能)
売店の店員さんにお願いすればしっかりとした日本語ガイドブックもたくさん見せてもらえます。
日本語や韓国語はあるけど中国語がなくって「なんでないの…」とユーチン嘆いてました。
中に入ると「ARBEIT MACHT FREI」…「働けば自由になる」と掲げられた標語。
収容所に連れてこられた人々に希望を持たせるための言葉。
でも実際はその逆。待っていたのは劣悪な環境下での過酷な労働、使い物にならなければ使い捨て。
ヒトラー率いるナチス政権が目指していたのは民族浄化・・・ユダヤ人の民族完全絶滅。
建物内の階段は波打つようにぼこぼこだったのが印象的でした。
当時からのままなのかはわかりませんが、本当に多くの人が様々な想いで行き交っていたのだと。
オシフィエンチムに降り立った時は「穏やかな街」という印象。とてもホロコースト(大量虐殺)が行われた場所とは思えないほど。
しかし展示物があるバロック内に入ると肌で感じる空気が一変しました。当時の凄惨な状況がそのまま、まるで時が止まったかのよう。
これは殺虫剤チクロンBの缶。日々送られてくる収容者を効率的に大量殺害していくために巨大なガス室が作られ、毒ガスとしてこのチクロンBが使用されていました。
義手や義足。
ユダヤ人のみならず障害者も「絶滅」の対象になりました。
かばん。
それぞれ名前や住所がかかれているのはこれも希望をもたせるため。
どれも壁一面いっぱいに展示されており、ここにどれだけ多くのポーランド人やユダヤ人が連れてこられ命を奪われたのか、どれだけ無念だったか、痛いほど胸に突き刺さってきました。
縞模様の囚人服。
ユダヤ人、政治犯(赤の三角印)、ジプシー(黒の三角印)、同性愛者(ピンク)、エホバの証人(紫)など区別するためのマークがつけられます。
冬には-20℃を下回るほど寒さの厳しいポーランド、こんな薄く脆そうな生地で寒さに耐えることができるはずない。
満足に洗濯も行えず、伝染病が蔓延していきました。
廊下には収容者の写真。アウシュビッツに連れてこられ、男も女も関係なく丸刈りにされ、消毒、その後写真をとられます。
収容者はやせ細り飢餓状態。収容所解放後23㎏~25㎏だった女性たちの写真。
劣悪だったのは衣服や労働環境だけではありません。
配給されていた食事。これ、1食分ではなく1日分です。
朝は約500ccの「コーヒー」と呼ばれる濁った飲み物。
昼は腐りかけの野菜で作られたほとんど具のないスープ。
夜は約300gの黒パンと30gのマーガリン、草を煎じたもの。
食料の奪い合いも日常茶飯事だったそう。
この食事量に日々の過酷な労働…飢餓、衰弱、伝染病の流行によって命を落としていく人が絶えませんでした。
薄暗くひんやりと張りつめた空気が漂う地下。
監獄がずっと続いてました。立ったまま牢屋に閉じ込め徐々に徐々に衰弱させ息を絶えさせる立ち牢もありました。
11棟にある「死の壁(死のブロック)」
ここでは逃亡しようとした人やレジスタンス活動を行った者を銃殺刑に処していました。数千人がここで銃殺されました。
シャトルバスに乗ってアウシュビッツ第二強制収容所ビルケナウへ向かいます。
先ほどの現博物館、第一収容所では収容しきれなくなったため1941年に新たに建設されたのがビルケナウです。
恐らく皆さんも教科書やTVで見たことがあるでしょう。死の門。鉄道の引込線。
列車で連れてこられ、ここで行われるのは「選別」
価値があるか、ないか。
労働力や人体実験に使えないものは「価値なし」とすぐにガス室で処分…。
そのほとんどは女性、子供、高齢者でした。
ガス室があった施設などは、解放後証拠隠滅を図るために破壊されてしましました。
ビルケナウの広大な敷地内には300棟以上のバラックがありました今が残っているのは67棟。
解放後、証拠隠滅のために焼かれたり壊れたバラックの場所には煙突だけが立っていました。
これ倉庫じゃなくて収容者たちのベットです。
この狭い狭いベッド一段に最大で8人が詰め込まれワラだけしいて寝させられていました。
言葉はなくとも戦争の悲惨さを訴えかけてくるおびただしい数の展示物や残された建物…。
アウシュビッツにきて頭に思い浮かんだのは日本のことでした。
アウシュビッツだけじゃない、どれだけ遠い場所へ来てもどんな絶景をみてもどんなに心震えることがあっても、
いつも思うのは日本のことなのです。
ドイツやポーランド同様、日本も繰り返してはならない歴史を乗り越えて今があります。
バブルがはじけて不景気といえど生まれたころから平和、ずっと平和、当たり前のように何不自由ない生活を享受してる。
でもそれはもう二度と戦争してはいけない、死の恐怖が隣合う世界じゃなくて穏やかな暮らしにしよう、いい国にしよう、と先人たちが努力して築き上げてくれた上で成り立ってる。
日本を離れてわかりました、どれだけ安全で自由で素晴らしい国なのかと。
この平和はずっと続くもんだと思ってたけど、きっとそうじゃない。
なぜナチスが政権を握り、ホロコーストを突き進め多くの人々が無念の死を遂げることになったのか…。
その原因のひとつが国民の政治への「無関心」が招いたといわれています。
無関心…あれ?日本もそうじゃない?
政治離れだ、無関心だと騒ぐようになってどれほどでしょうか。
わたしもお恥ずかしながら政治にはとことん疎いです。
「投票なんかしてもなにもかわらないでしょ」「とりえあず大きな政党にいれとけばいいか」
全部人任せ。全部人のせい。おめでたいもんですね。
このままだと時代も法律も生活もどんどん変な方へ流れていってしまう。
やっぱり…歴史は繰り返してしまうから。
日本人は優しくて礼儀正しくてあたたかい。それは今も昔もかわらないはず。
誰にだって家族がいて大切な人がいて、それも今も昔もかわらないよね。
でも殺し合うんですよね、戦争するんです、何が正しいのかわからなくなって、大きなものの波には逆らえなくなって。
小学生のころ祖父母から戦時中の話を聞いたり、修学旅行先の広島でも被爆者から話を聞いて戦争について学ぶ環境がちゃんとありました。
きっと思い出すのもつらいはず、それでも戦争のことをちゃんと知ってほしいと必死に伝えてくれようとする気持ちが痛いほどわかりました。
戦争を生き抜いた人の語る言葉は重くて強い。
亡き祖父も高知で暮らす祖母も本当に尊敬しています。
でも、当時戦争を経験した人もいつかはいなくなってしまう。
アウシュビッツの200人を超えるガイドも全員、戦争を知らない世代だそうです。
それでも後世に戦争の愚かさ、人の脆さと尊さを世界中から訪れる人に伝えようとしてる姿は本当に心打たれるものがありました。
日本もそうあるべきですよね。ちゃんと未来ある子供たちに伝えていかないと。
大人も目を背けず史実を知るべきです。世界のことも日本のことも。無知は罪。
アウシュビッツを訪れて、追悼と平和を願うとともに、今までの多くの犠牲の上で平和と自由の恩恵を受けているか、自分がどうあるべきかを改めて考えることができました。
ポーランドにお越しの際はどうか訪れてみてください。
ではまた。
Have a nice day!!
コメント
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絶景や格安宿もいいけれど、こういう場所は絶対に抑えておきたいですね。
すぐには言葉にできなくても、行動を興せなくても、「アウシュビッツを見た」という事実はきっとこれからの自分の人生にプラスになるはず。
世界が平和でありますように。
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すばらしい経験をされましたね。
戦争はどんな理由があれいけませんよね。
歴史からそれを学ばないといけませんね。
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ぜひこっけ~さんも行ってみてくださいね!
アウシュビッツ、意外と冷静に見れたんですがやっぱり感情はいろいろ湧き起りますね。
旅してると本当世界の平和を願わずにはいられません。
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コメントありがとうございます♪
戦争がどれだけ愚かなことなのか改めて理解できました。
行ってよかったです。